今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
あの…告知を受けた日から…僕は闇のトンネルの中にいた。歩いても歩いても…出口の見えないトンネルの中に…。ただ…見えていた『死』に向かって…止まることも出来ず、確実に…近づいていた。そこに…SAEが…光を見せてくれた…。でも…いつかは…必ず『別れ』が訪れるんだ…。それでも僕は…その時まで、SAEと生きようと…最初の決意とは違うけど…そう思える様になっていた。SAEの…笑顔を見たから…。


(…ちゃんと寝たかな…。)
帰宅してから、私は…真夜中を過ぎても、寝付けないでいた。何かといえば、あいつの事ばっかり考えてしまう。…トイレに行く時…看護士を呼んでるかとか、寝ないでラジオなんか聴いてるんじゃないかとか…。くだらない事…。まったくムカつく。でも…約束したし…。…約束?そういえば…なんで私があいつを見てるなんて約束を…守らなきゃならないんだ?約束なんて…破る為にあるのに。過去の男達にだって…そうされたのに。…でも、まぁ…悪い気はしないし…いいかな。
『ブーッ!!』
急に携帯が鳴り出していた。…メールだ。こんな時間に誰?マユミ?…この間の事…私はまだ…マユミに謝ってない事を思い出してしまった…。私はちょっと戸惑いながら…携帯を見た…。
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