今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「消灯ですよ。」
「あっ…はい。」
何も変わらない1日がまた終わった。…なんて事言っても…変わる事なんて、…何もないだろうけど。看護士が灯りを消した部屋の中で…僕はただ、一点を見ていた。さっきまでSAEが座ってた椅子…それを見ていた。今日もSAEは来てくれた。少し…怒ってたけど…きっと、明日も来てくれる…。そう思える様になってた。もし…そうじゃなくても…きっと来てくれるって信じてるし…。何だか…今になって、SAEをもっと信じてるし自分がいる…。僕の事を…遊びだって思ってたのに…信じられるんだ…。
(…寝たかなぁ?)
あれからも…僕はSAEに止められていたけど、メールを送っていた。今日も僕は携帯を取る…。今、思ってる伝えたい事は…一緒に居るようになって、自然に伝えられたって思う。…それでも、足りない事はメールで…。いつの間にかそれが当たり前に思えていた…。
『何してるの?』
その一言だけのメール…それがいつもの始まりの合図…。
(…早く寝ろとかっていうんだろうな…。)
そんな事を考えて…送信しようとした時だった。
(…あれ?)
体が動かなくなって…意識が遠のいてく感じが…した。
(…SAE…)
暗い…暗いトンネルに…入っていく様な…そんな感じだった…。
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