今…君のために出来る事 今…君のために生きる事


(…あいつからメールなかったな…。)
次の日も…私はあいつの所に行こうとしていた。なにも変わらない…昨日と同じ道…。ちょっと違うのは…昨夜はあいつからメールがなかったって事かな…。もしかしたら…昨日、私が怒った事に凹んだから?…それでも…きっと私が行けば…いつもと変わらないあいつが待ってる…。そう思ったら…勝手に…歩くスピードが早くなってた…。

「…あれっ?」
部屋の前に着いた時、いつもと違うって空気が流れてた。あいつの部屋に…医師とか看護士なんかが集まっては…慌ただしくしていた。…なんかあったのかな…。って…それくらいしか思わなかった。…いや、思いたくなかったのかもしれない…。だって…胸の中にある嫌な高鳴りが…止まらなかったから…。
それは部屋の入り口を見た時だった…。いつもなら開いているドアが…閉まってて、そこには『面会遮絶』って書かれた札が掛かっていたからだ…。看護士が私の側を通って部屋に入って行く…。その瞬間に…隙間からあいつが見えた…。…酸素マスク?みたいな物を付けて…。その横に、亜紀さんがいた…。
「…何?」
すごく胸が苦しい…。それが…胸で納まらず…言葉になって出る…。有り得ないって思ってた事が…今、目の前で現実に起きてる…。『そんな事は絶対ない。』って思ってた事が…。
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