今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

いや、このまま時が止まってしまえばって…、亜紀さんを見たら、そう思えるくらいだ。私は…何も言わない…言えないみたいな亜紀さんを見て、…嫌だけど…話を切り出した…。そして…ゆっくりと…亜紀さんの唇が動きだした。
「あの子…昨夜…意識失ったんだって…。…今もまだ…」
「…えっ？」
　その言葉は…涙声だった。
「…病気なの…。もう…いつ死んじゃうかわからないの…。ずっと…この事話すの…止められてたけど…。」
止まってた思考で…そんな事聞いても…理解なんか出来ないし…。でも…体が勝手に…震えてる…。 「SAEちゃん…、前にも聞いたけど…あなたは太郎を好き？」
その眼差しは…本気だった…。私は…私の隠してる気持ちを…まだ、誰にも言ってない。…私がもし、亜紀さんと逆の立場なら…こんなはっきりしない態度に…きっと同じ事を聞くだろうな…。
「…私は…」
「何？」
「私は…私のルールを守る…。私から男を…」
なんで？こんなになっても…素直になれない…。でも…私の中のルールを言い掛けてる途中…私は泣いてしまった…。
「…あなたがここに来てくれてる事には…感謝してる…。あなたが太郎の事…どう想ってても…。…でもね、あの子…あなたと付き合う時も…別れる時も…すごく苦しんでた…。…知ってた？」