今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
いつも…私が見ていたあの悲しそうな表情…、そんな理由があったんだ…。…私は…そんな事なんて知らなかったし…知ろうとしなかった…。
「…そんなの…わかんないよ!!」
涙が止まらなくなってた…。ムキになって大粒の涙なんか流して…かっこ悪い…。本当は…自分で何故かって疑問を持たなきゃいけなかったんだ…。そうすれば…もっと早く…知ったはずなのに…。でも…どうする事も出来ないんだ…。私の体から…力が抜けて…いつの間にか…亜紀さんの胸の中にいた…。
「…なんで…」
もう…認めるしかないんだね…。私が…素直になれなくても…、私にとって…あいつが何より大切な人なんだって…。
「…もし…また来てくれるなら…覚悟はしててね。あの子も…覚悟は決めてたから…。…あなたを悲しませたく…ないって言ってたから…。」
亜紀さんに言われて…何も言えなかった…。
…二時間後…あいつの面会遮絶が解かれ…私達はあいつの側にいた…。


「…ここどこ…?」
何もない暗闇の中…僕は一人でもがいていた。体を動かしたくても…自由に出来ない。でも…不思議と…怖いってのがない…。
「…えっと…確か病室に…。」
体の割には…頭は冴えていた。ここにいる前の記憶を辿っていく…。でも…病室から後の事が…全くわからない…。
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