今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

「…ごめん。」
「いいんだよ。どうせ…いつかは言わなきゃならなかったし…言わなくてもわかった事だから…。」
SAEが出て行ってすぐに…亜紀が入ってきた。…亜紀はひどく落ち込んでた。自分が言った事で…SAEが出てった…そう思ってるんだろう…。
「…僕が言っても…同じだったと思うし…。」
「でも…もう…。」
何を言っても…亜紀にとって…もう後悔しかなかったみたいだ。
「SAEが来なくても…もう、仕方ないよ…。僕の事に…やっぱり巻き込んじゃ…」
「…。」
亜紀は…黙ってた。今まで、亜紀が真実を言わなかったのは…僕の為。それが…本当の事を言った事で…僕に悲しい思いをさせたって思ってるのかもしれない…。
「…元気出してね?」
亜紀が小さくつぶやいた。…なんか…自分に言い聞かせてるみたいにも聞こえた…。亜紀だって…SAEがいなくなるのは…悲しいんだよな…きっと…。
「…うん。亜紀…今日はもう寝るよ。なんだか…疲れた。」
「あっ、…うん。ごめん…。」
僕が言った事は…嘘じゃなかったけど…ただ、ひとりになりたかった。
「じゃあ…明日…。」
「…うん。帰り気を付けろよ。」
僕がそう言うと…亜紀は小さく笑った…。らしくない、無理に…作った笑顔で…。
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