今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
第一章 SAE
「おはよう!SAE!」
学校では、みんな私をそう呼んでいた。本当の名前は冴子。でも、みんながそう呼ぶから…私は私をSAEだと思ってる。
自分じゃあ…可愛いとか綺麗とか、全然思ってないけど、言い寄ってくる男は…自慢みたいになるかもしれないけど結構いる。…もちろんって言っちゃあおかしいけど…、それに比例して…多分、経験も多い方だと思う。
いつからか忘れたけど…そんな自分が嫌でクールを装うようになってた。…結局…それはやっぱり自惚れなんだろうな…。それが今の私の自己分析。彼氏を欲しいとか言ってた事もあったけど…男達のカモになりたくないし、それならそんなのはいらないと…今は思えるようになってた。18歳になってもそれは変わらず、とくにその考えが嫌とも思えない。私は私だし…変わる必要なんてないだろう。
「…おはよ。」
挨拶を返すと、他に話す事もなく、大概の人はすぐに行ってしまう。共通の話題がないからだ。まぁ…友達と呼べる程の娘たちじゃあないし…ただの同級生って感じかな。…友達…いるにはいるけど…、私の友達はみんな私に似たやつらだ。クール=冷たい人って思われてるのかもしれない。
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