今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
嫌われるならそれも仕方ないと思ってたのに…。彼女の言う通りだ…。僕の決めた事…、今を一生懸命に生きて…ありふれた幸せを大切にする事…。それがいつの間にか…先に見えているものを見据え過ぎて…そこからさえ逃げてたのかもしれない。
(今…か…。)
今…それは今日、そしてこの時。昨日は戻らない。
「僕は…君が好きだ。付き合って欲しい…。」

言わせてしまった。何かわけのわかんない事ばっか言って…ずいぶん遠回りして時間がたってしまったけど…なんだか嬉しかった。その言葉で…私まで顔が赤くなった様な気がする…。顔が熱いもん…。不思議な感じだ。
(んっ?)
私は安心して冷静になったんだろう…。店内を見渡していた…。私達は…いつの間にか…、いやあれだけ私が騒いだんだから仕方ないけど…他の客にかなり見られていた。
「いいよ。」
私はそっけなくそう返事をした。喜んでる私を絶対に態度に出したくないし。私はバックから急いでメモを取り出し、携帯のアドレスを書いた。
「あっ…。」
あいつは…何かを言い掛けてたけど…私はそれだけを渡して…店を出て行った。

「ハァハァ…」
どれくらい走った?私は…店を出て、雨の中を走ってた。立ち止まって一息しても…膝が笑ってるよ…。そんなに体力ないのか?
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