今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
僕は震えながら通話ボタンを押し、携帯を取った。…そういえば最近、亜紀があまり部屋にこない…。あいつはあいつで忙しいみたいだ…。おかげで誰にも見られる事も気にする事もなく…メールが出来る…。それに…SAEとも話す事が出来るし…いいタイミングだ。
『寝てた?』
そっけない話し方…。電話が着たのも信じられなかったけど…この話し方は間違いなくSAEだ。
「いや、まだ寝てないよ。」
電話で話すのは初めてだ。あの日みたいに心臓が高鳴っていた。
「あのさ…、次の休みいつ?」
電話の向こうでSAEがどう思ってるなんてわからない…。彼女は初めての電話って知っているのだろうか?何事もない様な感じで聞いてくる。
「えっと…」
『わかったらメールして。休みの日遊ぼうよ。携帯代もったいないから切るね。』
さっきまで…次の休みはいつかなんてわかっていたのに…突然過ぎて出てこなかった。SAEは、自分の言いたい事だけを言って…切ってしまった…。

「ふ~っ…。」
大きく息を吐いていた。ため息?電話しただけなのに…なんかまた…私のペースが崩れた気がする。思わず切ってしまったけど…あいつに悪い事したかな…。
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