今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

静かに…ただ時間だけが流れる…。私はコーヒーを飲みながら太郎を見ていた。…ずっとこんな時間を過ごしてなかった気がする。意外な事だけど…心地良いかもしれない…。
「ふぅ…。」
あらかた食べ終えた太郎は…急に席から立ち上がった。
「どこ行くの？」
「ん…トイレだよ。」
トイレかよ！少しだけ照れたあいつの顔…、私は何も言わず見送った。（…いいかな？）
私は…あいつが見えなくなるのを確認して…バックからタバコを取り出した。別に…あいつの前で吸ってもよかったんだけど…なんで私はこんな事してんだろ…？

「…」
トイレの中で、僕はポケットの中を探っていた。薬を探して…。SAEの前で薬を出したくなかった。病気だって事を知られたくなかったからだ。
「ひとつ…ふたつ…」
薬はすぐに見つかった。それらを手のひらに出して、数を確認する。痛み止めが多いな…。今は気持ちが少し悪いだけで痛みはないけど…いつ痛み出すかわからない…。決まった時間に忘れずに飲む事が大切って先生が言っていた。…でも、時間はもうズレていた…。しかも…今日は病院にさえ行ってない…。そんな事を考えながら…確認した薬を一気に口に入れた。
「ゴホッ！」