今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

私も…最初に話した時と同じ様にムッとしていた。別に秘密にしてたわけじゃないし、私がタバコを吸ってるって太郎も知ってるハズなのに…。だからだ。
「また…好きだからだって言うの？」
太郎の顔が赤くなるのを期待して…冗談をいったつもりだったけど…様子が変だ。
「SAEには…まだ早いだろ？タバコは体に悪いんだよ。」
また…真剣な顔だ…。それに…赤くなる所か、顔色が悪い気もする…。店の中だから？
「…そんなの私の自由でしょ。別に私の体がどうなったって…」
そこまで言いかけたけど…それ以上、言えなくなってた…。太郎が…本当に一瞬だけど…悲しげな顔をしたからだ…。
「タバコ…止めなよ。SAEは女の子なんだし…。」
「やめないよ。」
座りかけながら言った太郎に…私はきっぱりと答えた。罪悪感もあったけど、私が太郎に従いたくない。それが例え間違いでも…負けたくない…。太郎に言われて…『やめる』なんて…カッコ悪い…。自分でも…呆れるくらい…私は天の邪鬼…。
「わかったよ…。ねぇ、SAEには夢とか目標ってあるの？」
「はぁ！？」
タバコを止めろとか夢とか…、本当に変な事を言うやつだ…。真剣に聞いてくる太郎に、また私は『素』になって言ってしまった…。