今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「待った?」
「SAEかわいい~!!」
戻った私に…そう言いながらマユミは抱きついてきた。私より身長の大きなマユミから言わせると…自分より小さな私は…可愛い系らしい。
「やめなって!」
うざったい様に、私はマユミの腕を払った。…もしかしたら、セックス以外で私に抱きつくのって…マユミだけかもしれない。
「何笑ってるの?」
「ん?なんでもないよ!」
そんな事を考えてたら…少しだけ笑えた。そして…私とマユミは歩き出した。
「とりあえず…。」
まだ時間があるらしい…。そんな感じだ…。…時間あるなら『遅い~』なんて言うなよ…。って…これまたいつもの事だ。時間まで…目的もなく街をフラつく…これもいつもの事だ…。
「はいっ!チーズ!」
勢いよくマユミが決めポーズをつける。プリクラにむかって…最高の笑顔を見せていた。マユミとのプリクラって…もう何枚あるんだろ?
「も~SAEもたまには笑いなよ!さっきみたいにさぁ!」
「やだよ。面倒だし。」
プリクラを撮る度にマユミは私にそう言う。『笑う?』出来ないことはない…。男達の前で笑う事だってある。その方がウケがいいからだ。作り笑いだけどね。だからって…なにもプリクラ撮る時にまでは本当に面倒だ。
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