今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
なんか…中学生みたいなデートだ。
「そんな事ないよ。」
 でも、太郎が言う程…まぁ、楽しいとかじゃないけど、悪い気はしなかった。なんて言うのかな…『ホッとする時間』って感じ。もちろん…そんな事を素直に言える訳もなく、たった一言で私は返した。それを聞いたからかな?不安そうな太郎も…少しはホッとしたみたいだ。
「それじゃあ…今日はありがとね。」
遊ぼうって言ったのは私なのに…太郎はそう言った。
「うん。…また今度ね。」
なんか…そう答えてた私の顔…硬くなかったかもしれない。
「うん…。」
そう言うと…太郎はゆっくり私から離れ、それを私は見送っていた。途中…太郎は何度も私の方を振り返り返っていた…。その姿が見えなくなるまで…私も見送っていた…。

(もっと一緒にいたかったな…。)
SAEと別れた帰り道、そんな事を考えていた。本当は用事なんてなかったけど…もう、体力が限界に近づいていたから…だ。晶に言われたデートコースなんて…ひとつも行けなかったけど…楽しかった…。
「また今度…か…。」
思わず別れ際に言われた言葉を僕自身で言っていた…。『また』…次の約束をしたわけじゃないけど…また逢える。そう考えるだけで…勝手に顔がにやけていた…。
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