今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
朝食を済ませて、僕はバイトに行く為に家を出た。昨日の事…、特にこれといって変わった事がない、普通のデートだったけど…今、思い出しても嘘みたいな感じだ。
「…?」
家を出てほんの数歩で…また目眩が僕を襲ってきた。それが…いつもの事だって僕は思っていた…。

「昨日はどうだったよ!?」
晶と顔を合わせた瞬間に…言ってきたのはそれだった。
「…って、お前顔色悪いぞ?やりすぎたか!?」
僕が何も言わないうちにそんな事を言われてしまった。…何を言っているんだろう?
「まっ…楽しめよ!」
勝手に何かを悟ったみたいにそう言い残して…晶は行ってしまった。…顔色?…晶にそう言われて…僕は少し気になり、鏡を見た。…すぐに血の気が引いてしまった。…いや、最初からそんなのはなかったのかもしれない…。いつも以上に…顔色が悪かったからだ…。
(…大丈夫だ…。)
自分にそう言い聞かせるしかなかった…。朝に薬だって呑んだし…体調も…、さっき目眩があっただけだし…。仕事をしてるうちに…顔色だって戻るだろう。…そう思っていた。…願っていたのかもしれない…。
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