今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

夕方になっても…顔色は戻らず、そのまま僕は仕事を続けていた。さすがにこの顔色で…晶や他の人達も心配してくれてたみたいだけど…それでも僕は気にしないでいた。体調が悪いわけでもないし、何より、早退でもしたら…SAEに逢えなくなってしまうから…。そしてようやく…いつもの時間が近付いていた。
「おい、来たぞ。」
晶が外を見て僕に小さな声で教えてくれた。外を見ると…そこにはSAEが見えていた。
（あれっ？）
その後ろに…もう一人…SAEと同じ様な感じの女の子が立っていた。…しきりにSAEに話し掛けてるみたいだけど…SAEは…困惑してるみたいだ。
「あの人～！？」
二人が店に入ったと同時に…一際高い声が響いていた…。そして…SAEの顔色が…赤くなっていた気がする…。

（もう…やめてよ…。）
マユミの声が…店の中だけじゃなく、私の頭の中にも響いていた。こんなに近くにいるから当たり前って言えばそれまでだけど…、何も大きな声出さなくてもいいじゃない…。恥ずかしいな…。
…なんでここにマユミが？本当はここに連れてくるのは嫌だったけど…、どうしても…あいつが見たいってマユミのお願いに…私は断り切れなかった。
「マユミ！」