今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
けど…。」
私はその場を繕うみたいに笑った顔を作ってしまった。…作る。一体、私はなんなんだ?とにかく、今日も学校が終わったら…あいつの所に行ってみょうって…私は決めていた。


「お世話になりました。」
僕が病院を出たのは…昼近くだった。
「ほら、大丈夫なの?荷物は私が持つから。」
僕、いや、僕達だった。考え事をしてボーっとしてる僕から…亜紀が荷物を取った。今日も亜紀は…僕と一緒にいた。『お世話に…』か…。たった一晩の事だったけど、きっとまたここに来なきゃならないんだろうな…。その時は…。
まもなく、告知されて1ヶ月、今も落ち着いているとはいえ、体が昨日より重い気がする。目の前が…見えない。
「タクシー着たよ。」
亜紀が急かす様に話掛けてくる。その声に…我に返ったみたいに僕の視界が開けた。辺りが眩しい…。
「亜紀…。」
「えっ?」
僕は亜紀に目で訴えていた。僕達の側に、若い夫婦が赤ん坊を抱いてたっていた。
「もう…定期検診くらい私一人でいいのに!!」
「だって…心配なんだもん…。」
「あほっ!!」
旦那さん?が赤ん坊を抱いている女の人に怒られていたけど…それが本気で怒っている様には見えない。
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