今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

「何を言ってんの？！」
しばらく黙っていた亜紀が…急に何を言い出すかと思えば…本当に唐突だ。それに…僕は亜紀に彼女の事は話してない。
「あのねぇ…、最近のあんた見たらわかるよ？こんな事言うのも変だけど…明るくなったし…。」
そうなのか？最近の自分を思い返しても…思い当たる節はない…。亜紀は何でもお見通しなのか？
「気のせいだろ？」
「そう？じゃあ…『SAE』って誰？」
「…何の事？」
亜紀に言われて…額から汗が出てしまった。何で知ってるんだ？
「昨日…あんたが寝てる時に…メール見ちゃった！」
亜紀が開き直ったみたいに言った。勝手に人の携帯を見た事より…彼女の事がバレた事の方がショックだ…。
「メールしないの？」
僕が怒らない事をいい事に…今度はにやけながら聞いてきた。
「だって…。」
僕の決意は…亜紀にも教えた。それなのに素直に彼女が出来たなんて言える訳がなかった…。逆に亜紀に悪い気がしていた。
「別にいいんじゃない？彼女出来たってさ。彼女が今の支えになってるんでしょ？」
やっぱり亜紀はお見通しらしい。そんな事を言ってくれたお陰で…少しだけ…罪悪感から抜け出した感じがした。でも…亜紀が少し寂しそうに見えた。