今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

「…帰ったらメールする。」
「早くしてあげなよ！」
もう…彼女がいると認めた様な感じで言ってしまった。亜紀は急かすみたいに言ってきたけど、なんて事ないメールでも…今はSAEに送る事が照れくさかった。
恋愛には…酷くエネルギーを使う。誰かを想ったり、傷付けない様にしようとか…。前の僕なら…病気を知らなかったあの頃なら…恋愛にエネルギーを使う事なんて何とも思わなかった。けど、こんな体になって…余計なエネルギーは使いたくない…恋愛なんて…そう思っていた。いや、思わせていた。それがまた…誰かを好きになって想っている。正直…疲れてしまう事もある。けど…それが悪い気がしないって思う自分もいる…。


「…すいません。」
「はい？」
私は…学校が終わるまでって思ってたけど、抜け出して…あいつのバイト先に来てしまった。学校にいても…あんな感じじゃあ頭がすっきりしないし…それじゃあ勉強にならないしね。まぁ…元々勉強なんてしてないけど。
「あいつ…います？」
昨日…店の中であいつと話していた店員に声を掛けた。
「太郎？」
「うん。」
すぐにあいつの名前が出るって事は…聞いて正解だったみたいだ。
「今日は…休みだよ。」