今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
放課後、私はあいつにそんなメールを送った。…実際はバイトの時間だし、見てるかなんてわからないけど、なぜか送ってしまった。
(さてと…。)
放課後になって気付いたけど、今日はマユミを見てないな。この時間まで見ないって事は…もう学校にはいないだろうな。…もとから来てないのかもしれないし。でも、こんな指を見られたら…何か言われそうだし、ちょうど良かったのかもしれない。私はゆっくり…あいつのバイト先に向かって歩き出した…。


「おい、来たぞ。」
夕方になり、いつもの場所にSAEが姿を見せた。こんな早い時間に…今日は学校に行ったのかな?思ってたより早すぎるな…。僕は何気なく近づいて話し掛けた。
「SAE、まだまだ終わらないよ?少し外で時間潰してきたら?」
誰にも聞こえない様に…僕は小さな声で言った。
「…待ってるからいいよ。」
SAEは少しだけ間をおいて、呟く様にそう答えてくれた。
「…そう。」
せれ以上、何も言わず、僕はSAEから離れた…。

仕事をしながら時々…SAEを見る。注文したコーヒーを彼女は黙って飲んでいた。そう言えば…今日はSAEのタバコを吸う姿を見ていない。テーブルにも…灰皿がないし…。
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