今…君のために出来る事 今…君のために生きる事


私は…ボーっとあいつを見てた。もちろん、気付かれない様に。今日は顔色が悪くないな、ちゃんと働いてるな…とか、そんな事を考えながら。私は…あいつとここで出会うまで、ひとりになりたかったから来てた。なのに…今のこの時間は何なんだ?…これから、あいつとの『話』を考えると嫌だけどさ、それを抜きにすれば…こんな時間も悪くない気がする。…こういうゆっくり流れていく時間が…。

「もう少しで終わるから…外で待ってて!!」
そう言われたのは…閉店の10分くらい前。店の中でずっと待っているわけにもいかないし…私は言われた通り、外で待つことにした。
「ふぅ…。」
外にあったベンチに座り掛けた時、いつの間にか溜め息が出て、私はそれに気付いてしまった。なんで!?そう思ってはいたけど…理由は自分でもわかっていた。認めたくないけど…、あいつと逢う時間が近づくにつれて…私の不安が大きくなっていたから…。
「何の話…なのかな…。」
今度は…ゆっくりした時間が嫌に感じる。いっそ…止まってくれてもいい…。だす必要のない言葉を…私は独り言で言っていた…。
「ごめん!待ったよね!?」
「!」
「どうしたの?」
あいつに声を掛けられ、私は驚いてしまった。
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