今…君のために出来る事 今…君のために生きる事

私とした事が…不意をつかれたといえ、ドキッとしてしまった…。あいつは最初…キョトンと私を見たが、今は心配そうに私の顔を見ている。胸の高鳴りが…更に高まる…。
「別に。」
それでも私は…そんな素振りを見せない。何事もなかった様に、悟られない様に…そう答えて顔をそらしていた。


「そう？」
声を掛けた時、一瞬、ＳＡＥが驚いた様な…なんか辛そうな顔をしてた様に見えた。でも、もういつもの顔に戻って、そして別な方向を向いている。なんでもないなら…それでいいんだけど…。
「風邪…大丈夫なの？」
「うん。大丈夫だよ。」
僕はＳＡＥの横に座りながら答えた。横と言っても…少し距離を置いてだけれど…。昼間、晶が言ってた事が気になってた訳じゃない。ただ、僕がそうしたかったから…。多分、やっぱり本気になるのが怖いのかもしれない。そして、あの事も言わなきゃならないし…。もっと近くに行きたい。…けど、きっと抱きしめたくなるから…。
「…話しって何？」
隣に座って…ほんの数秒、やけに長い沈黙に感じたけど…SAEが話しを切り出してきた。
「えっ？」
僕はSAEの方を向いた。SAEもいつの間にかこっちを見ていた。
「話しって言うか…。」