今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
そんな姿を見て、私はそう言った。…嘘を言ったつもりはない。私がこいつに出逢うまでの話しだけど…。
「わがまま言ってごめん…。」
へこんだ顔がもっとへこんでいた。
「だから…今日はいいって言ってるでしょ!?」
年上なのに世話が焼ける。なんで私が機嫌とらなきゃならないんだ?でも…少しだけあいつに笑顔が戻っていた。
「本当?」
「本当だって!!」
思わず大声を出してしまった…。…もしかして、気付かないうちにさっきから大声だしてるかも…。まぁいいや…。けっこう機嫌も戻ってきてるみたいだし…。子供みたいだなって思いながらも、ホッとしてる私…。仕方ないか…。
「あれっ?」
落ち着いたからかな?あいつは私の手を見ていた。
(しまった!)
絆創膏だらけの手の事を私は忘れていた。気付いてももう遅い。あいつはじーっと私の手を見ている。
「指…どうしたの?」
「ちょっとね…。料理の手伝いで…。」 ここまで絆創膏だらけなら聞かれるだろうなって思ってたけど…やっぱり聞かれた。言うのが嫌だったけど…正直に答えた。こんなの…他に答えがないけど…、料理の手伝いなんて私のイメージじゃないし…。
「大丈夫?」
「えっ?」
< 99 / 214 >

この作品をシェア

pagetop