【短編】雪と鯨とフォトグラフ
―…
「期限あと三日って、ふざけてんの?!」
「だってさ~、これ見つけたの昨日だったんだもん」
次の日、
私は鯨の部屋で憤慨した。
何て計画性がないんだ。
「やっぱり、無理かぁ」
鯨がまた情けない声を出した。
私もそれが伝染して、深いため息をつく。
鯨の部屋にはあたりそこら中に写真が散らばっている。
でも、お世辞にもうまいとは言えない。
カメラの技術がないわけじゃない。
でもいまいち、内容が薄っぺらだ。
インパクトが足りない。
素人の私でも何となく分かる。
それに気づいているのか、いないのか。
上達の色が見られないという事は、
気づいていないのかもしれない。
私はそこら辺に落ちていた写真を一枚拾った。
……あれ?
私は近くに似たような写真がないかどうか探した。
嘘…何でこれ……。
「あっそうだ!」
鯨が急に声を出すから、私はハッとして、その写真を隠した。