Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~



「ちょっとそれは……」



と言葉を濁して答えると、湊くんがギターを準備しながら私の言葉を遮った。



「いったいどうやって俺たちの曲を弾いた?



バンドスコアでも見たわけ?」



興味は更々なさそうだけど一応聞いてきたようなそんな感じ。



バンドスコアなんてさらっとしか見せてもらったことしかないもんね。



「違うよ。わたし何にもみてないもん!」



「は?」



ギターをチューニングしようとした手を止めた湊くん。



意味が分からないという顔をしてる。



「じゃあどうやって……弾いたんですか?」



そうおそるおそる聞いてきたのは広夢くん。



彼らはあたしが本当のことを言ったら信じてくれるのだろうか?



< 101 / 277 >

この作品をシェア

pagetop