Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
Chapter 3 引き付けて離さないうた



* * *



「あー!今日は寝坊して朝ごはん食べられなかったから、4時間目のチャイムが終わったらすぐにお弁当食べようと思ってたのにー!」



4時間目の途中で限界が来たお腹がゴロゴロなっちゃって近くにいた友達に聞かれて笑われちゃったし。



……本当に最悪だ。



なんで3時間目の音楽の時間に筆箱を音楽室に置いてきちゃったんだろう。



普通なら筆箱はいつでも使うから気付くはずなのに。



「ぐずぐず言ってたって筆箱は歩いて教室まで来てくれる訳ないんだから早く取ってきなよ。



なくなってからじゃ遅いしね!」



と言ってあたしを急かす美紀。



そりゃそうだけどさ……



彼女はこれから購買に行くらしくあたしと一緒に取りに行ってはくれないらしい……。



「……分かった。行ってくる」



この教室は本棟1階で音楽室は別棟の5階だから、前の授業の休み時間の10分じゃ走らないといけないから諦めたんだよね。



遅れて教室入るのは気まずいし……



あたしは自分の席から立って、空腹すぎるお腹にまた我慢しながら教室を出た。



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