Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
「あー……そうですね。
でも同時並行でウィンターソングも作ってるからもう少し時間かかるかもしれないです」
と歯切れの悪い返事をされた。
これでどんどんこの曲も形になっていくと思ったのに、ちょっとがっかりしてしまった。
「……そっか!ウィンターソングの方もアレンジ頑張るね!」
空気を悪くしたくなかったあたしは気にしてないふりをして答えた。
広夢くんが歯切れの悪い返事をした理由にあたしが気付くのはもう少し先の話だった。
彼はもう次のことを考えて、もっと前へ進もうとしていたんだ。