Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
でも……目が離せない。
ずっとずっと彼の歌う姿を見ていたい。
素直にそう思える……
何でそう思うのは分からないけど、そう思わせる何かが彼にはある。
そんな彼をうっとり見ていたから気付かなかった。
「なになに?もしかしてあなた湊のファンですか?」
え……?
声を掛けられた方へ振り向くと3人の男の子が立っていた。
咄嗟に上履きの色を見てみると「赤」色でそれはあたしより1つ下の学年を指していた。
「別に……あたしはこの階に用事があって来ただけ」
と後輩だからってぶっきらぼうに答えるあたし。
大人気ないのは分かってるけど……美紀みたいな誤解をされたくなかったんだもん。