Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~



「はい!ということで文化祭の後夜祭1発目に歌わせてもらったのは



俺たちが初めて作った曲でもある“未来にむかって”でした。



高校生になるまで個々にギターやベースを弾いてただけで



たまたま知り合った4人で立ち上げたバンドがいきなりオリジナルソングなんて作っちゃって



コピーから始めない俺たちは少し変わってるかもしれませんが、毎日毎日運動部のように練習をしながら第2音楽室で頑張っています。



月2回、第2、4金曜日は第2音楽室でライブ披露もしているので時間あったらぜひ来て下さい。



以上、Star Tearでした!」



真っ暗な体育館の中、ステージにだけついているライト。



まだ残暑も残っていて、室内は余計にもわっとしていてとてもむさ苦しい。



そんな中、彼らの挨拶と歌に対して、「キャー!」という女子たちの甲高い声、そしてパチパチといつになっても止むことのない拍手。



あたしは幕が下に降りるまで、男子4人から目を離すことができなかった。



これが思えばあたしがバンドに“虜”にされた瞬間だった。



Bandrium〜きみに捧ぐ恋のうた~



< 2 / 277 >

この作品をシェア

pagetop