Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
Chapter 9 きみに捧ぐ恋のうた
「湊はいないけど、見にきてくれてることを信じて
最後までやり通そう!」
「「「オーッ!」」」
あたしたちはステージ上で円陣を組んで広夢くんの掛け声にみんなで大きな声で言って離れた。
とうとうクリスマスライブの日がやってきた。
幕の向こうからは「早く始まらないかな?」「Bandrium!」という
生徒たちの声がたくさん聞こえてくる。
そしてみんなは楽器の前に立ってチューニングをして音を出し始めた。
その音を聞いて「キャー!」という黄色い声が体育館中に響き渡る。
あたしはスタンドマイクの前に立って目を瞑って、大きく息を吸って心を落ち着ける。