Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~

「あー絶対まずいよ！湊くんのファンだって絶対思われちゃったよー！」



あたしは急いで１つ下の階に降りて図書室に逃げ込んだ。



……よし！ここならきっと大丈夫。



ライブが終わるまではここに隠れてよっと。もう１曲やるみたいだった感じだし。



それにここには今日の当番の図書委員と受験生の先輩と司書の先生しかいないから



何も喋らず、不審な行動をしなければここにいてもバレたりしない。



第一彼らが追ってくるわけないしね。



図書室の奥まで歩いて行って、グラウンドの見える窓際に行くと



上から"未来にむかって"が聞こえてきた。



この湊くんの声……本当に好き。



今まで男の人の声なんて気にしたことなんて１度もなかったのに



どうしても湊くんの声だけは反応してしまう。



目を瞑って曲を聴いていると自然に自分の頭の中でStar Tearの披露している情景が浮かんできてそのままその場に座り込んで彼らの曲に浸っていたんだ。