Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
「それでも信じてくれないんだったらStar Tearのメンバーを本当に狙ってないことも
ちゃんと証明できる証拠があるんだから!
こんなあたしにでも大事な人がちゃんといるんだからね!」
あたしはゆっくり湊くんの近くに歩いて行くと
制服のスカートのポケットから携帯を取り出して待ち受け画面を見せた。
それはあたしとある男の子が仲良く写っている写真。
2人ともよく写れてるから先月からずっと待ち受けにしてたんだ。
「……そこまで言うなら分かったよ。お前にちゃんと彼氏がいることも……
悪かったな。
ファンじゃなくても俺達の歌を気に入ったんだったら、ちゃんと毎回ライブ観に来いよ。
今度は図書室なんかで盗み聞きしてないで俺の見えるところで……」
そう言うとあたしの返事も聞かずに彼はギターを持って音楽室から出て行ってしまった。