Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
「そういうことね。とりあえず座って。
ごはんができるまでお喋りして待ってよ!ねっ?」
あたしはベッドから降りて、ローテーブルのある所まで行って
樹に座るように促した。
「あぁ、そうだな。じゃあさっきの来週の金曜日の訳でも聞くか」
と悪戯な笑みを浮かべて聞いてくる樹。
「えっ、別に大したことじゃないよ。でも……あっ!」
あたしは樹を見て湊くんに嘘を吐いたことを思い出した。
これって樹に一応言っておくべき?
同じ学校でもないから言わなくても大丈夫かな?
……うーん、どっちだろ。
「唸ってるくらいなんだから何かあんだろ?」
「あたし本当に唸ってた?」
普通に心の中で言っていたつもりだったんだけどな。