Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
「バカって言わなくたって……」
そんなの自分でだって重々分かっているのに。
それに樹だって小さい時からあたしと一緒にいるんだから分かっているはずなのに
そんな今更言わなくたってー!
「とにかく信じてもらえたならそれでいいんじゃない?事情はよく知らないけど。
強いて言えば俺はしばらく彼女が作れないことくらい?」
と嫌味ったらしく言ってくる樹。
「……。そうなの?」
そこまで考えてなかったよ。
軽いことだと思っていたのに樹にまで迷惑かけちゃってた?
「さぁな。別に好きな奴いないしどうでもいいけど。さて、夕飯のいい匂いしてきたし行ってみようぜ!」
あたしと樹は部屋から出てリビングに向かった。
そして樹のお父さんとお母さんも合流して久しぶりに大勢でごはんを食べた。