Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~



「えっ!」



恐る恐る後ろを振り返ってみると、やっぱり想像通りの人たちで、でも少しぐったりしていた。



「結愛先輩、いきなり逃げないで下さいよ!」



「そうですよ!用があったから先輩のこと呼んだのに!」



「逃げ足だけは……速いんですね」



最初に言ったギターの広夢くんとベースの航平くんの言葉は分からなくはないけど……



最後に言ったドラムの祐くんの言葉はどう考えても嫌味にしか聞こえない。



っていうか別に言わなくても良かった言葉だと思う。



「あたしは昼休みはお昼ごはんを食べるっていう用があるので



また今度にして下さい。じゃあね!」



また変にバカにされたり、からかわれたりする前に早く逃げないとと思ったあたしは彼らの用を聞かずにその場を去った。



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