Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~



「別にあんたにアドバイスくれなんて誰も言ったりしてない。



お前にとって曲を聴いてグッときたかとか、変な感じしないかとか



3人が作る恋愛ソングの歌詞の手伝いをすればいいんだよ」



と3人の後ろから声がいきなり聞こえてきた。



「湊くん……」



そっか、それであたしがこのバンドの役に立てるのなら。



自分のバンドのイメージもこのバンドなら変えられそうな気もするし。



「湊もそう言ってるくらいだから、これから第2音楽室に通って下さいね!」



「時間がある時で全然良いのでいつでも来て下さい!」



「いつになっても来なかったらまた今日みたいに追っかけますから」



た…祐くん、なんかいつも最後の最後で彼は爆弾を落としてくる。



後ろにいる湊くんを見ても彼はまた作曲の方に集中して何も言わなかった。



それからすぐに5時間目の始まる予鈴が鳴ってあたしは第2音楽室を後にした。



こんなはずじゃなかったのに……



でもあたしは彼らの歌をもっと聴きたい、もっと知りたいとそう思うようになってしまったんだ。







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