Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~



「もう16時になるよー!早く早く!」



「今行くー!」



掃除で邪魔になると思って脱いだブレザーだけを掴んであたしは美紀の後を追った。



美紀の走りは帰宅部とは思えない走りでどんどん姿が小さくなっていく。



そして見えなくなるとすぐに「結愛早くー!」と階段を上りながら彼女の声が降ってくる。



2階、3階、4階……



息を切らしながら必死に美紀についていくとようやく第2音楽室に着いた。



いつも思うけどこの第2音楽室だけせめて本棟の1階に作って欲しい。



こんな用がある時にしか行かない別棟の5階に作るなんて設計者に怒ってやりたい!



普段運動をしない人のこともちゃんと視野に入れて作って欲しかったです!!ってね。



「「……間に合った」」



「皆さん、こんにちは。Star Tearです!



今日もたくさんの来丘生が授業が終わって疲れているのにも関わらず来てくれてメンバー4人ともすごく嬉しいです。



それでは今日もみんなではじけていきましょう!未来にむかって」



広夢くんのあいさつの後すぐにドラムスティックのカチカチという音が鳴って今日もまたStar Tearの時間が始まった。



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