Bandrium~きみに捧ぐ恋のうた~
あたしは自分の心の中でもしかしたら……
「彼らのことを……どこかで他の有志のバンドと同じように見ていたのかもしれない」
イケメンだから、ファンがたくさんいるから
1年生であんなに弾けるから
練習はおチャラ気で真面目に練習なんかしている訳ないって
ファンに騒がれたくて本気でバンドをやっている訳ないって
バンドなんて楽しそうにやっていればそれでいいって
心の奥底で無意識にそう考えていて
それに気付いた湊くんはあんな風にあたしのことを怒ったのかもしれない。
あたしは……バンド嫌いから抜け出せたと思っていたけど実はそれは気持ちだけで
「本当は違ったんだ……」
楽しそうにやっている彼らの裏には過酷な練習があったことをあたしは知らなかった。