外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

顔が赤くなって、汗をかいている。
私はおでこに手を当てる。「熱あるじゃない」
今度は反対に私が男の顔を両手で掴む。
「・・・手、冷たくて気持ちいい」
男は子供のように言った。
私は男に「自力でソファーに寝といて!」と言い、
冷蔵庫をあさり、バスルームでタオルをあさり、氷水でタオルを冷やした。

言った通りソファーに寝っ転がった男はワイシャツにスーツのズボンだった。

・・・脱がすわけにはいかないよね、てか無理です。

「服、脱げる?」
耳元で聞くと、男は具合が悪いのに口角だけ上げて、

「・・・今日は無理」

意味不明なことを言う。

「ばか!ちがう!汗かいてるから!」

あわてる私はなんでこんなことで緊張してるのかわからない。

「ああ」つまらなさそうに言う男。

こんな状態でよくもまぁ・・・あきれる私。

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