外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「大丈夫かよ」こっちに来いと手招きする。

「・・・うん、なんとか」
ソファーの後ろから顔だけだしていた私は、のろのろと起き上がり、
祐哉の隣にちょこんと座った。

「顔みせてみな」
祐哉のほうに顔を向けた私の顔を触ることなく、目だけで確認する。

「足は?」目線を下に落とす。
膝にちょっと擦り傷、あとは無事と言うと、そっか、と素っ気ない一言。

今度から、途中で買いに行かなくて済むようによ、
先に買っておけよ。危ねーから。と言い、立ち上がる。
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