外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「ありがとな」

え?

「寝ずに看病してくれたんだろ?」男は私の顔をするっと撫でた。

「なっ」レディーに気安く触るなんて!!!

「死んでもらっちゃ困るからよ!」ふんと鼻で笑ってやった。
「気が強いんだな」なんでもお見通しのような目で見てる。

「でも、お酒で薬はダメだと思う」ぼそっと言った。

「そうだな、仕事でちょっとあってさ。つい」気まずそうに頭を掻く男。

「来いよ」

はい?命令形?誰に?私に?

「なんでよ」この私に?

そんな私のことは無視して男は私の腕を引っ張り、自分の前に座らせられた。
男が私を後ろから抱きしめている。

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