外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「あ、ひとつはっきりしとこうか」男がおもむろに切り出した。
「何かしら」仕事モードにしてみる。
「・・・お前・・・(やっぱバカ?)本当に住所ここかよ?」
「え?ああ、確かアメリカのエージェントに取って貰った家だから、
確かだと思う」
「アメリカのエージェント?」男の眉がぴくりと動いた。
「そう、ずっと海外で仕事してたんだけど、生まれて初めて日本に来たの。
もちろん仕事でよ。で、オフィスからも近いし安全だって理由でここになったの。ほら、住所」
そう言って私はエージェントがくれたメモを男に手渡した。
メモを見て、男は何かぶつぶつ言ってたけど、首をふりながら私に返した。