外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
いやちょっと待て。戻ろう。
同じことの繰り返しだ。
別にどうこうなるわけじゃなし。
気にしちゃダメ。
「ちょーいいお湯でした!」
空元気とはこういうことだ。
無駄に大きい声で言いながら部屋に入った。
「・・・お前こんな夜中に1人でなにしてんの?」
残りの八つ橋を食べながら本ん読んでる佑哉は、
まったくなに食わぬ顔してる。
ある意味、恐ろしいな。
電話はテーブルの上に無造作に置かれている。
私に気づかれたとか、わからないのかな。
「安心しろ、お前のは残してある」
八つ橋の箱を指で弾いた。
その、笑顔がなんかいや。