外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「さて、ここが今日から住むところね」
恵比寿のタワーマンションに到着した私はスーツケースを引きずりながら
指定された部屋へエレベーターで上がる。
「えー、3037、3037・・・」
ここか。カチャンと広い空間に響く心地よい音。
ドアーを開けると、そこには男物の革靴がひとつ。
え?
動きが止まる。
大理石の広い玄関に男物の靴一つ。
そのほかには何も無い。
なにこれどういうこと?
しばらく玄関で考え込む私。どうなっているのかの意味が分からない。
一回外に出てみる。