外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
どのくらいそこにいたんだろう。
気がついたら私の横に荷物がどんと置かれた。
「帰るぞ」
祐哉が立ってた。
コクリと頷くと祐哉は手を差し伸べた。その手に私は手を預けた。
車内はやっぱり無言で、ラジオの音だけが響いていた。
私のこの状況なんてラジオの中の人は知る由も無い。
バカ笑いしながら話に花を咲かせているけど、
とてもそんな状況にはなれない。
何も話さない、どこにも寄らない、行きとは全然違った車中の様子。
周りの景色ですら、忌々しい。
「・・・わたし」
「・・・・・ん」
「やっぱり」
「おう」
「バカなのかもしれない」
認めよう。バカなのかもしれないって告白すること程、
バカなものは無いけど、こうするしか方法は無い。
きっと私が今の私を認めない限り、祐哉は何も言わないだろう。