外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「やっと分かった?」にこりともしない。冷たい言い方。

「・・・うん」悔しいけど、言い返せないし言い返す気力も無い。

毒舌で俺様な人だけど、たぶん間違ったことはしないし言わない。

よしよしと言いながら、祐哉は右手で私の頭を撫でた。

「わかりゃいいんだよ」

頭をグシャグシャってやった。ぼっさぼさになって、
髪が邪魔で前が見えなくなった。

けど、それ、わざとやったのかもしれない。

私の目からは、熱い涙がこぼれ落ちそうになっていたから。

目の中に溜まった涙は、瞬きをしたらこぼれ落ちる。
だから細かく瞬きをして、なんとか涙を引っ込めようとした。


ほらね、こんなところも、かわいくないんだ。
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