外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
窓の外に広がる水色の空。
目の前にはココアと翻訳中のフランス語のデータが出しっぱなしのパソコン。
後ろでは、顔かなんかを洗ってるのか水の流れる音。
よし、聞きたいこと言いたいことは、聞いて、そして言おう。
そう、決めたじゃん。
「シェーン」
来た。
「なに?」持ってたココアをテーブルに置いた。
「はい、これ」
渡されたのは、京都のお土産の扇子。
薄い水色の扇子は東京の空とよく似ていた。
・・・ありがとうと受け取り、彼の視線を捉えた。
「ごめんね」
「・・・何が」
「京都で・・・あの女性・・・は、」