外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

あの日はあれから一日京都観光案内をしてくれて、夜には帰った。
僕が行くからとその日の予定を空けて、休みを取ってきてくれたから、
だから、あのときは私を残して行くしか無かった。

旅館に戻って私を捜したけど、君はあの男と一緒にいたから
名前を残していないでしょ?

夜中までずっとロビーで待ってたけど、結局帰ってこなかった。
部屋に居たのかも知れないけど、それは調べられなかったと言った。

「それなら電話、できたでしょ?」

「直接会いたかった。電話には出てくれないかもしれないと思った」

「出るよ」

「君は僕を怒ってると思ったし、僕も君を怒ってた」

お互い様じゃん
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