外国育ちのお嬢様は硬派がお好き
「片桐さん、女心なんて分かんないもんっすね」
ため息混じりに高鍋さんはそう言うと、
私のデスクにコーヒーを置いた。
深刻そうな顔して何があったの?と聞くと、
最近彼女と上手くいってないことで悩んでいた。
あぁ、どこのうちでも同じようなことで悩んでるのね・・・
「高鍋さんに彼女いたなんて初耳」
「そりゃそうですよ、言ってないんですから」
「なにそれ感じ悪い」
「片桐さんはどうなんすか?」
私?
「北島社長の彼女でしょ?」
は?
何言っちゃってんの?
「ぜんぜん違いますけど」
危うくコーヒーをぶっかけるところだった。
「違うんですか?まじっすか!京都一緒に行ったからてっきりそうなのかと思ってみんなに・・・」
あっ!と、高鍋さんは口をおさえた。
なんか嫌な予感。
「・・・何したの?」
コーヒーをぶっかける準備はできてる。
「・・・あー、怒らないで聞いてくれます?」
「内容によります」
決まりが悪そうにもじもじする高鍋さんに、印篭を叩きつけた。