外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「だってさ、好きなんだもん」 たぶん。

「錯覚」

ばっさり切り捨てるか!そこまでばっさりいくか!!!

「てめー・・・」拳を握りしめる私。
「ほら出た。ふんわりさん?はそんなことしないと思いますよ」
「え」
「そんなときは、え~やだぁ、そんなことないもん!
ちゃんと好きだもんとか言いますって」

「あんた私にそれやれって言うわけ?」
「だから、最初から出来ないって言ってるじゃないですか」

おまたせしましたと、絶妙なタイミングでお酒がやってきた。

作りたてほやほやをすぐに飲まないほど失礼なものは無い。

一口舐めて、「おいしい」と言う。

「恐れ入ります」というバーテンは、できた人だ。

てめーとドスを利かせる私はまったくできていない。

< 241 / 363 >

この作品をシェア

pagetop