外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「片桐さんやっぱり北島さんのこと好きでしょ?」

なんの前触れも無しに言葉を投げる。
キャッチボール、必要?

「マーク、いるから」静かに、あくまで静かに言った。

やっぱりねと言うように頷き、ソファーの端っこに座った高鍋さんは、
やっぱりウサギにしかみえない。

「で、あのふんわりさん2号って?」
「やっぱ気になるんじゃないですか」
「うるっさい。早く言いなさいよ」

飲み直しに、冷蔵庫にあったコロナを開けて、渡す。

「ライム無いんすか?」
「飲まないなら私飲むけど?」
「いえ、すいません、頂きます」

小さく瓶をぶつける音が壁に吸収される。


「その、ふんわりさん2号ですか?

名前は、『かすみ』さんて言うんですけどね」


ドクン・・・


熟したトマトにナイフを突き刺すかのように心臓に鈍く深く衝撃が押し寄せる。

そりゃ、夜中にでも電話してくるし、出なかったら不安になるよね。
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